キャンジャニ∞先生✨ おはなし

キャンジャニ×先生のお話 TWまとめ

13 学校案内とみたらし

61)車内で

クラ子と錦子はそれぞれ妄想を楽しみながらも表面上は軽いおしゃべりを続けていた。

(女って器用だよね)

そのうち、元気をだんだん取り戻していた丸山先生が、前の席の2人とわちゃわちゃ会話をはじめた。実際の高校男子以上にくだらない話をずっとしている。


クラ子は、前々から疑問に思っていた事を聞いてみた。

「先生達って凄く仲が良いですね」

「えっ?俺ら?」

「そもそも、若い先生7人とも関西出身なのは、何かあるんですか?」

生徒全員が疑問に思いつつ誰も聞けなかった事をクラ子はズバリ聞いた。学校の七不思議の1つである。(ちなみにムラ子が関係していた不思議は最近姿を見せない)

錦子はそんなクラ子に一目置いていた。いつも、取り澄ましている感じのクラ子だけど、本質は正直で真っ直ぐな人なんだわ。


「ああ、俺らJ理事長に集められてん」
さらっと村上先生が答えた。

「なんかオーディションみたいなことさせられてな」
元々別の高校教師だった7人は「新設する学校」に来ないかとJに誘われたのだ。

 

62)ざっくりと学校案内

そもそも、学校法人J学園は系列の学校が沢山あって、日本一の規模を誇るARASI学院や、jrエレメンタリー、名門kinki大学(漢字表記NG)など、幼稚園から大学までの一大グループ学園だ。

その中でウチの高校は特に「自由な校風」が特色。確かに下校時間も早いし、校内恋愛だって認めれていない(はず)けど、おしゃれも自由だし、制服に関しても式典以外ではうるさく無い。

特に個性を大切にしているので、例え学力が低い生徒でも様々なジャンルの才能を持った生徒が多く、開放的でとにかく明るい。

が、ガチャガチャしているように見えて、全体のレベルはかなり高い。
そんな学校を支えているのが、この若手の7人であり、一見「気さくなにいちゃん」に見えるのに、実はかなりスキルが高いのはこの学校を象徴している。

バラバラに集まった7人に音楽好きが多いこともあり、慣れない土地でバンド活動を通して結束を固めてきた。

まあ、最初は趣味程度だったのに、今じゃ軽くスカウトまで来るようになり、それはそれで困ったことになっているし、生徒に知られるわけにはいかないが。

 

63)錦子の危機

「じゃあ、J理事長が《ちょっと》個性的な学校を作ろうとして、先生達が集められたんですね」クラ子が言った。

「まあ、そう言うこっちゃ!」と村上が答え、

「なあ、そんなに俺ら関西弁強いか?」とクラ子に聞いてきた。

「いや〜村上さんがコテコテ過ぎるって!!若者は使わへんような濃い大阪弁使いすぎやって」と渋谷先生が笑う。

「そうやでしんちゃんの大阪弁はちょっと違うで、俺は京都やけどね」

「おい、まる、生徒の前で『しんちゃんは』無いって!恥ずいわあ」

鬼の村上とも呼ばれ、若手の先生の中でもしっかりしていると思われがちな先生の『きゃっきゃ』している姿にクラ子でさえ(可愛い)と思ってしまった。

錦子は表面上、クスクス可愛く笑っていたが、だんだん妄想が爆発しそうになっていた。

(そろそろアオハルどころのシュチュエーションじゃ無くなってきた)


「さあ、高速に乗るで」

「しんちゃん、ちょっとまって!」丸山先生が言った。

「何や?」

「うん、錦子ちゃんがなんか具合が悪そうで」

!?うぎゃ〜

 

64)カーシックではなく

「錦子大丈夫か!?」

錦子は「大丈夫です、気にしないでください!」と言ったが、本当は妄想が過ぎて1人でアワアワしていただけなのだ。

しかも普通なら誰も気づかない位の動きなのに丸山先生はどうして分かったの?しかもクラ子を挟んでいるのに。

「カーシックちゅうやつやな」と心配そう言った村上に「俺と席変わろうか?」と渋谷先生。

錦子は軽いパニックだ。なんて言うことを言うの!?私が村上先生の隣に座るの?そりゃ、部活なんかでは横に座った事あるわよ!でも、車は特別なのよ、彼女の席なのよ。彼女!

錦子は鼻血が出そうになりながら、必死に「大丈夫ですから」と抵抗していたが、

丸山に「ここは大人の言うこと聞いといて」と押し切られてしまった。

一方、クラ子はクラ子で、じゃあ、すばる君はどこに座るの!?と1人ドキドキしていた。

すがるような感じで「渋谷先生は運転されないんですか?」と錦子が聞いたが

「おれはネコバスしか運転出来ないから」と、かわされてしまった(なにそれ可愛い💚)。

 

65)丸山先生のみたらし

結局、運転村上、助手席錦子、その後ろにクラ子、真ん中に丸山、運転席の後ろに渋谷が座った。

錦子が「皆さんがおしゃべりしている方が気がまぎれる」と言うので、遠慮なしに先生達が喋っている。


《すばる君が隣じゃなくって、本当に良かった》クラ子は思った。

近すぎると息が出来ないから!!呼吸出来ないから!
多分、すばる君はまだ、私が丸山先生のファンだと思い込んでいる。

だから、さりげなく丸山先生を私の隣に座られせたし(実際は、もっと奥詰めろや〜って無理矢理追いやってたけど)、かと言って皆んなの前であおるような事はしない。

じっくり観察する事は出来なくなったけど、何気ない彼の人柄を知るたびに、前よりももっと好きになっていく。

とはいえ、ずっと隣の丸山先生が、すばる君を襲ったり?村上先生に突っ込まれたり、急にギャグを言ってくるのでクラ子の感情も忙しい。
挙句の果てに

「しんちゃん、サービスエリア絶対寄って!」と、ごね出した。

「何でや、寄らんとスッと行こうぜ」

「トイレか?!」

「お土産買わなあかんねん、みたらし」

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