15 あの毛も色気
71)セクスィースローガン
丸山先生は錦子を笑わせようと頑張っていた。
「ハイ先生。朝起きれない彼女をどうやって起こしたら良いですか」
丸山「チュっ、じゅる、じゅるじゅる〜」
渋谷「これや!」
みんな「ひゃ〜〜」悲鳴。
錦子、真顔。
「ズバリ、プロポーズはどんな感じでしたらいいですかっ?」
村上「そりゃ、綺麗な景色が見えるレストランで『また来よな、つぎは夫婦で💜』」
大人だ〜〜全員うっとり。
錦子、目を閉じている(妄想中)
「先生!セクスィーになるためのスローガンを!」
丸山「胸毛も脇毛もあの毛も色気💖」
「ある意味すげー!」「あの毛って‼️」
錦子は現実に引き戻された。
こんな感じ!?で約1時間があっという間に過ぎて
「もう時間やな」と村上先生が言った。
「えええ〜〜もうぉ〜?」と一番駄々をこねている丸山先生。
村上先生は「これがメインイベントちゃうやろ!明日の試合の為のミーティングやるねん」
ダラダラのコーラス部と違い、県内有数の強豪であるサッカー部は、さっと気持ちを切り替えて会議室へ向かった。
錦子もクラ子に「後でね」と手を降った。
72)コーラス部
クラ子はもうクタクタで、ロビーでも寝落ち出来るくらいだった。
(きっと顔もブスだわ。早く寝たい)
しかし追い討ちをかけるように、渋谷先生がこう言った。
「うちも形だけやけどミーティングや。部長と副部長、集まって」
ミーティングとは、明日の動きについての確認事項だった。
クラ子は話を聞くフリをして、熱心に渋谷先生を観察した。
(スウェット姿も良いわ。相変わらずセミロングの髪を束ねているけど、夕食前にお風呂上に入ったのね、髪がまだ少し濡れている。ドライヤーはしないんだ。私が乾かしてあげたいなあ。濡れた髪に手を差し入れて、子供みたいにくしゃくしゃにするの、、きっとすばる君の体温を感じる、、鏡越しに見つめられると、手が震えるかもしれない、)
byクラ子。
10分くらいで確認が終わると、3年生の部長が渋谷先生に言った。
「女子高生とお泊りなんて、彼女に怒られませんかぁ?あ、彼女居ますよね?」
甘えた様に尋ねる部長にイライラしながらも(ナイス質問!)と感謝する。
「今はおらへん、変な心配すな」
今はおらへん。
その言葉だけでカレー7杯いけるわ。
73)宿泊施設。3人の先生の部屋。
「あかん、何でや、何で錦子ちゃんは笑わんのや!」丸山先生はちょっとすねていた。
「しんちゃんの時はニコニコ笑ってるのに、何で俺のギャグで笑わんのや」
「訳が分からんからやろ」村上先生が呆れた顔で言った。
「クラ子ちゃんなんて、いつもゲラゲラ笑ってくれるのに」
「あいつはびっくりやなあ」と渋谷先生。「なんか、いつも冷めた様な感じで、すましてんのに、笑うと、、」
「何や?」
「、、オモロイわ」
「すばる!!ひどい!俺にはオモロイなんて言ってくれたこと無いのに!」
丸山先生はよろよろ倒れながら
「錦子!笑かしたるで、必ず!!イエ〜〜イィってやりながらの筋トレ〜〜」
「そういうとこが、錦子の、はまらん所ちゃうん」
クラ子と錦子は女子専用宿舎で何とか寝ようとした。クタクタ。でも寝れない。1年間に起きる「ときめきハプニング」を合わせても足りない位、充実?していた。
彼(あと3人)と同じ車内。
さりげない優しさ。
濡れた髪。
(いんもう占いの件は記憶から抹殺されていた)
74)次の日
翌朝、朝食を済ませたコーラス部が集まると、サッカー部はすでに大会へ出発していた。もちろん錦子も充血した目をこすりながら、朝早く支度していた。
「まあ、ぼちぼち行こか」眠そうな渋谷先生を筆頭に、すぐ近くのホールへ移動。
眠そうにポヤポヤしているすばる君も素敵💖
クラ子はサッとすばる君を横目で確認して、寝不足分の気力を補った。
結局、コーラス部は予定通り?ワンステージで終了。
みんなでそのまま、サッカー部の試合会場へ応援に向かうことになった。渋谷先生も一緒だったが、帰りは村上先生の車ではなくおじいちゃん先生の車に乗る事になっている。
ま、こりゃ、しょうがない。
会場に着いてみると驚いた。
応援席に、ヤス子と横山先生がいる!?
「もう、よこちょセンセー、いい加減にして下さい!!」
「ごめっ、ほんまごめん🙏」
謝り倒している横山先生と、ニコニコ笑いながら一応(怒ってるの?)ぷりぷりしているヤス子。
きっと高校名物「横山先生の紛失物」ね!
75)サッカー部の応援に来た横山先生
横山先生は運動部全体の統括部長でもあり、こうして強豪サッカー部の応援に駆けつけるのも仕事のうちだ。
「またや」
試合会場に着いて、いきなりソワソワした横山先生。
「ケータイあらへん」
「ちょ、どうするん」と呆れ顔の村上先生。
「そうやねんな〜財布もあらへん」
「呪いの歌、歌ってみ」
「アホか」
「ここまでどうやって来たんや」
「生徒の応援団と一緒のバス、でもバスには無いから、」
横山は村上の電話を借りて学校に電話した。「朝、学校に寄った時に携帯を、多分机の上、、はい、はい、良かった、えっつ!ヤス子さんが!はい、よろしくたのんます。」
「あったんか、んでヤス子がどないしたんや」
「今からここに応援しに来るらしい。ちょうど生徒会室におってんて。」
「そんでもって来てもらうんや」
「恥ずいわ」
「いつものことやろ」
日常茶飯事の事なのに、何故か「恥ずい」を繰り返す横山。
何で顔真っ赤やねん!!