キャンジャニ∞先生✨ おはなし

キャンジャニ×先生のお話 TWまとめ

④安田先生のウィンク

16)廊下 安田先生 まる子
泣いているムラ子と、「え、ちょ、待って」と叫んでいる大倉先生を残して教室を出た安田先生とまる子。

軽くまる子の腕を握って引っ張るようにして出てきた安田先生は

「あ、ごめんなあ」と、パッと手を離した。
まる子はドキドキしすぎて、何も答えられない。ただ、安田先生が掴んでいた腕が、ジンジンと熱くて、こわばって動かせない。
「いやあ、実は大倉、ああ見えて人の相談乗るのめっちゃ上手くてさ、そう、まる子ちゃんも何かあったら相談してもらいー」
「やっ」

「えっ?」

「安田先生にっ、相談したいですっ、何かあったら」

「おれはいつでもOKやで〜、あまり参考にならんかもやけど。そうや、食べかけやったけど、今日のお好み焼きも絶品やったわ」
「ほんとですか?、じゃ又持ってきます」
「おれは嬉しいけど、そろそろ本命にあげてもいい頃やで」

そう言って、安田先生は
バチン☆とウィンクして、歩いて行った。
(あんたや〜〜本命はあんたや〜〜)

ウィンクに被弾して、膝から崩れ落ちるまる子なの。

 

17)会議室
「ごめ〜〜ん、遅なって」

会議室に入ると、他のメンバーは勢揃いしていた。
「遅いぞ、大久保」「オークラ!」「小倉〜」「わからへん!」
って一応のがやを経て、次のライブについての真剣なミーティングが始まった。
この、ONとOFF、集中力の使い分けがおれらの強みやな、と年長者の横山先生は思う。
この7人の超個性的なメンツで活動しているけど、一つの目標に向かって団結する力がピカ一やねんな。それにしても、今日の大倉はいつも以上に上機嫌やなあ。
「なあ〜横山くん」
一通りのミーティングが終わって、それぞれ自由にだべっていると、大倉が話しかけてきた。

「今日ってなんか事件的なものあった?」

「なんやねん、事件的な物って」

「いやあ、例えば、生徒に告白されたとかさ」
「アホなこと言うな、俺先生やぞ」

ムキになる横山先生を見て、なるほどね、親衛隊の存在も知らないわけだ。そして、きっとムラ子の気持ちも、と大倉先生は思った。

 

18)会議室2
「よこちょはさ、」
いきなり安田先生の声が真横から聞こえて、横山先生はビクっとした。
「お、お前、いつからそこにいるねん」
「なんかさ、今日びっくりした事とか無いん」
「よこちょって言うな、ほんまお前たちは。」「お前たち?」
「ええねん、それより、今日初めて噂のムラ子に会ったくらいかなあ。なんや凄い勢いでスキップしてて、まさかうちの教室に入ってくるとは思わんやん、立ち止まって見てたらいきなりぶつかって来てん。」
「今日初めて会った?」大倉先生が尋ねた。
「いや、もちろん女子バスケ部の応援行った時とかは見てたで。でもちゃんと見たんは初めてやってん。なんかさ、いきなりぶつかって、いきなり自己紹介始めて、いきなりキャ〜〜言うて、いきなり走り去って行ったわ。」
何やったんや、と困惑し考えている横山先生。大倉先生はムラ子の涙の意味が大体分かった。

 

19)安田先生、大倉先生帰り道
「ムラ子は今まで、遠くからひっそり想っていたんや、」と大倉先生。
「鈍感横山先生は全くは気付いて無かった。それで、初めてのちゃんとした出会いがこれか。ドジっ子ムラ子ちゃん、やなあ。」
「幸せに、なってほしいねん、ムラ子には」
「オークラどうしてん、本気なんか」
「本気とかそう言うのどうでもいいねん、ただ、ムラ子の一途さが、なんやろ、凄い心に刺さるねん。」大倉先生が答えた。
安田先生「まあ、一生懸命やな、何事も。自分には全く関係ない教室を綺麗にしたり。こないだ学校の七不思議に認定されとったわ、あの教室だけいつの間にか花いけられてるって」
「ほいで、当の横山先生には全く伝わって無いねんで!?」

「まあ〜〜よこちょはなあ〜、、でもな」
安田先生はまっすぐ大倉先生を見ていった。
「オークラだって幸せになっていいねんで」
何も言い返さず大倉先生はただ、今日のムラ子との時間を思い出して、ほんの少し幸せになった。《でもほんとはあかんねんで。》

 

20)学校が終わって ヨコ子の部屋 7人
「何よ〜学校で言えない事って?」

ヨコ子が怪訝そうにくら子に聞いた。
「私、情報ゲットしたわ」

「出た!くら子の情報収集力!!」

「もう、真面目な話なの、ついにしっぽをつかんだわ。」
「もしかして!?」みんな色めき立つ。
「そう、秘密にしているつもりの先生達のバンド、今度のライブ情報ゲットよ」
「アッ!!」「何よ、ムラ子」

「普通さ、同僚のこと、メンバーって言う?」「え、言わないよね〜」

「それがさ、大倉先生が『職員会議でメンバーが』って言ったのよね、そのあとヤバって感じで言い直してたけど」
「どこで?」やす子が何げなく聞いた。

「どこで、そんな会話したの〜」

「あ、あの時でしょ!」まる子が大声で言う。やす子は今度はまる子をみて「あの時って?」あくまでも、さりげなく言う。
「ムラ子先輩、大倉先生に相談乗って貰ったんだよ〜、そう言えば何で泣いていたの?」

えええ〜ムラ子が泣いた!と大騒ぎになるみんなの中で、やす子だけはしかめっ面。

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