キャンジャニ∞先生✨ おはなし

キャンジャニ×先生のお話 TWまとめ

⑤バンド名はエイト

21)ヨコ子の部屋 2
「ひ、み、つ」ムラ子は指先をフリフリしながら、みんなの間をゆっくり歩いている。
「乙女なんだから、内緒にしておきたいこともあ、る、の」
「どうせ、横山先生関係でしょ、それより!」「うぎゃ〜〜な、何で知って、、」と叫ぶムラ子を制して、くら子が続けた。

「これがライブ情報よ」
急に静かになり、7人は一枚のチラシを凝視した。

「このエイトってバンド」「絶対そうだよね」「会場、結構大きい」「この日は連休だし」「チケット取れるよね」
「いける」7人は声を合わせて言った。
「問題は」とヨコ子。「学校にももちろん、先生達にも絶対にバレたらダメってこと」
「特にすば子!!」ビシっと指で指す。
「あなた、イカ持ち込み禁止。そして、その独特のオーラを消しなさいね」

「分かった」
「消せるんかい」

と年下達がずっこけてるのを見て、

「あなた達も極力地味でおとなしくてダサい格好するのよ、特にやす子!!」
「分かってますよ、ヨコ子お姉様。」

 

22)保健の授業 教室
村上先生はいらだっていた。保健の授業となるとみんなが一気に休憩モードになるからだ。
「先生!保健なんてやめてサッカーしようぜ」

「そんなの教科書読めばわかるじゃん」
確かに保健の授業はつまらない。特に今日の授業はやりにくい。いくら《鬼の村上》と言われていようが、授業を真剣に聞いている生徒はほぼいない、

そう、まる子を除いては。


授業後
「まる子、お前だけや、姿勢を正して真剣に聞いているやつは。今日の受精卵の話もよう聞いてくれた」
「ヤダ、先生、当たり前じゃないですか。授業はちゃんと受けるのは生徒の義務ですよ」
「その割には、成績上がらんなあ〜」
「んも〜先生ったら!」

村上先生は、「おれは何事も真剣なやつが好きやで」とかすれた声で言った。

マル子がドギマギしていると

「それって告白?」クラ子が笑いながら聞いてきた」

「好きか嫌いかって事」と村上先生。

「大人の男からかったら、後で痛い目あうで、ほな!」と手をひらひらさせて教室を出て行った。

「む、出来る男」とくら子は言った。

 

23)すば子
すば子が歩くとみんなが話をやめる。

あからさまにはしないが、みんながすば子を意識している。

あんな独特な美少女、他にいる?
あんなにスカートが短い女の子、他にいる?
すば子は小さい時から、ちょっぴり周りから浮いていたけど、ムラ子達6人と、あの若手の7人の先生達は普通に接してくれる。

村上先生がすば子に厳しいのは、みんなと打ち解けて欲しいからだ。大倉先生も横山先生も普通に話しかけてくるし渋谷先生は、何を考えているのかは分からないけど、嫌な感じはしない。丸山先生も、急にギャグを仕掛けて来て笑える。キショイ時あるけど。
安田先生とは、一番自然体で居られる。何も質問しないし、こっちが話したい時はただニコニコ聞いてくれる。調子が悪い時、誰も分からないのに先生だけは気付いてくれる。
そして、そして錦戸先生。
まさか、小さい時からの夢のあの人に出会えるなんて思っても見なかった。小さい時は光が強すぎて見えなかったけど、だんだん光の中から現れ出して、、そして一目見て分かった。

あの人だって。

「イカを食べなさい」

と勧めてくれた、あの人だって。

 

24)錦戸先生 横山先生 帰宅途中
「何やろう、最近女生徒がいやに絡んでくるねん。なんかさ、母親みたいにやたらベタベタお世話してくるし、影で『りょーちゃん先生』なんて呼ばれてんねんで。よかーまくうん、何とかしてっ」
「イヤイヤ、何とかって。たぶん俺らのバーベキューの映像が流出して、めっちゃ広まってるからやろ。それで錦戸さんの行動が母性本能くすぐったんやろう」
「めっちゃ恥ずい。なんかさ、メンバーの前やから甘えてんのに、あんなん他人に見られるなんて。俺、学校では真面目やのに」
「女子はみんな錦戸さんにデレデレすんねんな、可愛い💕って」
「くら子だけは、冷めた目で見てくる」
「ああ、あの、媚びは売らんけど妙な色気がある子な、確かに自立した男が好きそうやなぁ、背が高くて綺麗な子や」
「僕より高いねんで」

「そんなん知らんし。」

「やっぱ、女性は自分より背が高い方がいいんでしょうね」
「え、どっくんマジ!?」

 

25)くら子の部屋
くら子はヨレヨレになっているチラシ(のコピー)をまた広げた。そこに紹介されているバンドの写真。バンド名は『エイト』。メンバーの顔は光の陰影でうまく隠してある。

だけどね。ステージの中央で、真っ赤なマイクコードを命綱のようにぐるぐるに掴み、天にこぶしを突き上げているこの人。

「絶対、渋谷先生だ」写真の顔を撫でる。
このライブハウスはステージがちょっと高めだから、、、
私は彼を見上げるんだわ。
そして彼は私を見下すように、、、
「きゃ〜〜。。。やっば〜〜いい」

「あなたの方がやばい」
おっと、やす子がいたんだっけ。いいけど。
「そういう可愛い所をさ、学校でも、もっと出していけば?」
「別に良いの。私はクールキャラでいいの」
幼馴染のやす子の前では、本当の自分が出せる。他の5人の前でもかなり自然だけどね。

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